<兄弟>

・第1の衝撃が走ったのは、
  あなたの詩を最初に読んだときであり、
   落雷の後に、ほのかな暖かみが残されたことを憶えている。

 あなたの苦難を知ったからではなく、
  その状況で尚も生き抜こうとする力に惹かれて、
   わたしのココロが、あなたのココロへと導かれたのであった。

 第2の衝撃が走ったのは、
  あなたと同じ境遇の兄上の存在を知ったときであり、
   何も知らなかったわたしの口から出るはずのコトバは消え失せた。

 あなたが削り出す命の5行詩を読むだびに、
  あなたがた兄弟の作品が、
   この世の光となることを願うばかりである。

<生徒>

A:「困りますねぇ、教師が不登校では。」
B:「・・・」
A:「貴方は何十年も教えているベテランじゃないですか。」
B:「ええ。」
A:「きっかけは何ですか?」
B:「実は、教え子のひとりがノーベル賞を受賞したことです。」
A:「素晴らしいことじゃないですか!」
B:「私が落ちこぼれと決めつけていた生徒だったんですよ。」