2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

<常に>

・あなたにとって生きることは、 大変なことであり、また悲しいことであるにしても、 そのココロで感じとることのできる生きる喜びを 常に忘れないでいて欲しいのです。

<住所>

・愛する君へ。 この前の手紙からずい分時間が経ってしまいました。 あれから、君に何度も手紙を書こうとしましたが、 時がそれを許してはくれませんでした。 僕が君をどんなに愛しているかってことを伝えたいのに、 それができなかったのだから、申し訳なく…

<ビール>

A:「もう、大分飲んでるから、 これくらいにしとけば?」 B:「あと、一杯。」 A:「しかし、酒を飲めない君がノンアルコールビールでここまで酔い潰れるとは。 ある種の才能だよ。」 B:「ちがう、自分に悪酔いしてるんだ。」

<弦>

・A:「貴方は確か、蝶と蛾を助けた蜘蛛さんじゃないですか?」 B:「俺のことを知ってるのかい?」 A:「ええ、今は何をされてるんですか?」 B:「人間に捕まって、何とか命は助かったんだ。 今はバイオリンの弦を作ってるんだよ。 俺の糸で作った弦は…

<愛と誠>

A:「あなたの愛は誠のココロから出たものですか?」 B:「偽りのココロから出る愛など、あり得ましょうか?」 A:「いいえ、あなたの本心を尋ねているのです。」 B:「では、真実を申し上げてもよろしいですか?」 A:「はい。」 B:「貴方への思いは…

<すずめ>

・貴方は人を信じたい都会の雀。 ・雀は最後の姿を貴方には見せない。 ・あなたは多くのスズメよりも、まさった者である。 ・別れのとき、あなたは寂しさをスズメの涙ほども見せなかった。

<他人>

・他人とは貴方の顔を知らない人のことではなく、 貴方のココロのうちを知らない人のこと。 ・他人からあなたの領域に入ってきた○○は、いずれあなたから出てゆく。 ・貴方を理解しない他人によって支えられていることを知る貴方がいる。 ・他人から貴方に告…

<貧者と富者>

・A:「あなたは、天の国の銀行預金が少ないみたいですから、 今、私に少し融通する方がいいと思いますが。」 B:「いゃ、天国でも十分な資金をもってるから、その必要はないんだ。」 A:「そう言ってる人に限って、天の国に行ってみたら、預けてた筈のも…

<箱>

・A:「この世の全ての災いは、パンドラの箱が開いたときに始まったのよ。」 B:「君はパンドラが箱を開けたワケを訊きたい?」 A:「いいえ。箱というものは開くように作られたものだから。」 B:「では、蓋の裏側には注意書きがあったってことを、知っ…

<蜘蛛と蝶と蛾(裏話)>

・蜘蛛が、 「お前は何故、そうまでして約束を守ったのか?」 と尋ねると、蛾はこう答えました。 「実は、わたくしたちは子供の頃から仲が良かったのです。 蛹から出たのも全く同時でした。そのとき、驚いたことに、お互いの翅が全く違っていたのでした。私…

<方法>

・A:「誰でも簡単に発明できる方法を発明したよ。」 B:「君が? よくそんな方法を思い付いたね?」 A:「でも、その方法を使っても発明できないことが1つあるんだ。」 B:「それは何?」 A:「君にその方法を説明する方法なんだよ。」

<蜘蛛と蝶と蛾(終話)>

・蜘蛛は、蝶の言ったコトバを思い出していました。 「あなたのように心の広いお方を他には存知上げません。」 (あの時、自分が蝶を助けなかったら、鳥に襲われることもなかっただろう。しかも、蛾まで助けてやることなどなかったに違いない。)と蜘蛛は思…

<蜘蛛と蝶と蛾(続きの4)>

・蜘蛛は話を聞き終えると、蝶の翅を抱えたまま言いました。 「全くなんということだ。」 蜘蛛は暫く黙ったままでした。そして、蛾の方を向いて、 「ただ嘆いていても仕方がない。代わりに、お前がこれを身に着けて飛んでみせてくれ。」と頼みました。 蛾は…

<蜘蛛と蝶と蛾(続きの3)>

・蛾は明け方近くになって、美しい蝶の翅をもって蜘蛛のところに戻ってきました。 蜘蛛はそれを見て訊きました。 「どういうことだ? お前の持っている、その翅は。」 蝶は鳥に襲われたのでした。 蝶は必死に逃れようとしていました。 蛾は助けようとしまし…

<蜘蛛と蝶と蛾(続きの2)>

・蜘蛛は少し考えてから言いました。 「分かった。お前が必ずここに戻ってくるという証拠をみせろ。」 蛾は表情も変えずに、 「では、命の次に大切なものを置いていきます。」と言って、 頭についている2本のアンテナを外しました。 蜘蛛は驚いて言いました…

<蜘蛛と蝶と蛾(続きの1)>

・その日から蜘蛛は蝶のことを待っていましたが、2日経っても蝶が戻ってくることはありませんでした。 次の日、蜘蛛は夕方から夜中にかけて巣を作り直していました。巣がようやく完成してから、夜空の星を見上げていたとき、蜘蛛はふと、一匹の蛾が網に捕ま…

<蜘蛛と蝶と蛾>

・ある日、蜘蛛は朝早くからせっせと巣を作っていたので、気が付くともう夕暮れになっていました。すると、向こうから美しい翅をヒラヒラさせて一匹の蝶がやってきて、網に引っかかってしまいました。 蜘蛛はその様子を暫く眺めていましたが、蝶の翅があまり…

<問題>

・A:「あなたの抱えている問題はなんですか?」 B:「なにもありません。」 A:「問題がないのはホントですか?」 B:「なにも持ってないことが問題の根源なんです。」

<オウム返し>

・A:「最近、君の姿を見かけないから心配してたんだ。」 B:「心配してたの?」 A:「そうさ。」 B:「そうなんだ。」 A:「でも、君が元気そうで良かったよ。」 B:「元気そうだって?」 A:「いつも、そうやって君がオウム返しなのは変らないから…

<風と水>

・A:「風水というコトバを君は知ってる?」 B:「聞いたことはあるけど、それって何?」 A:「人間が気にするものの1つらしい。」 B:「僕は全く気にしないけど。」 A:「字では僕の方が先に来てるけど、君の字のつくコトバの方が多い気がする。」 B…

<誰から>

・A:「今日は君の誕生日だって聞いたけど。」 B:「いつ、そんなウソを聞いたの。」 A:「聞いたのは3年前の4月1日だったね。」 B:「誰から?」 A:「もちろん、君からさ。」