2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

<縁起>

A:4 B:9 C:7・A:「君も僕も縁起の悪さでは同じようなもんだな。 駐車場の番号から除外されてることもある。」 B:「俺なんか、酷いもんだぜ、 クルマは9に止まれないからだとか言われて。」 A:「君と僕を足せば13になるから、さらに困った…

<旅館>

・A:「今日の寝床は何処ですか?」 B:「ただいまご用意いたしますので、お待ち下さい。」 A:「その必要はありません。 My布団を担いで持ってきましたので、自分でやります。 これでないと、よく寝られないので。」 B:「それは大変でしたでしょ。」…

<ぼやいて>

・「僕だけが悲しみを連れてくると思い込んでるヒトが多いんだよなぁ・・」と 不幸がぼやいているのを聞いた貴方は、幸福に尋ねた。 「あなたは悲しみを連れて来ないでしょ?」 幸福は答えた。 「わたしは悲しみを知りません。」

<救世主>

・あなたは、対立する宗教徒と闘って壊滅させることや、 宗派に分かれた信徒が相争うことを、 救世主が喜ぶとでも思っているのですか!

<映画>

・映画が終わり、周囲が明るくなると、熟女Cは少年Dの方を向いて質問した。 「ねぇ、あたしを監禁したい気分になった?」 唐突なコトバに戸惑った少年Dは大声をあげた。 「僕には、あなたをさらう勇気がありません!」 周囲の人々はその声に反応したが、二…

<監禁(その5:終話)>

・少女Bが監禁場所から抜け出して警察に保護されると、捜査の手は青年Aに及んだ。 青年Aの裁判が始まり、彼は悪びれた様子もなく、罪状を認めた。 少女Bについては、何をされたのかといったエゲツナイ数多くの質問が行われたことに青年Aは心痛した。 陪…

<監禁(その4)>

・少女Bが誘拐されてから、捜索届けが直ちに出されないことを青年Aは知っていた。両親の養育権の問題が、少女Bの不運を物語っていた。 監禁後、十ヶ月が経過したころ、マスコミが急に騒ぎ出した。 少女Bは、テレビ画面のレポーターのコトバを耳にした。 …

<監禁(その3)>

・気分転換のため、青年Aは少女Bと外出しようという気になり、少女Bに訊いた。 「今日はどこかに出かけよう。君の行きたい場所は?」 「ディズニーシー。」 ふたりは目的地に到着し、今までのことを全て忘れるかのように遊んだ。 「どうして、わたしだっ…

<監禁(その2)>

・青年Aは医学部の学生で来年卒業予定だったが、何故か医師国家試験を受けるかどうか迷っていた。 監禁されてから数週間、少女Bは隙あれば逃げ出そうとチャンスをうかがっていたが、ある事件を機に考えを変えたようだった。 ある事件とは、少女Bが原因不…

<監禁(その1)>

・冬の晴れた日、青年Aは少女Bを誘拐し、自宅に監禁した。 少女Bの二親とも著名人であったため、彼女の情報を得るのは比較的簡単だった。 「君のお父さんから頼まれて、ちょっと来てほしい場所があるんだけど。」 かけたコトバはそれだけ。少女Bの顔色が…