<ダンゴムシとワラジムシ>

A:「僕らは明治のころに外国からやって来た外来種なんだけど、それに気づく人もいない。
 それに君と僕は似てるから、よく間違えられるよね。」
B:「僕は君みたいに修行を積んでないから、丸くはなれないよ。」
A:「別に訓練しなくたって、ただ体を丸くすればいいんだ。」
B:「世間には僕のようなのがいるから、そう簡単に丸くおさめることはできないんだ。」
A:「分かってるさ。もし丸くなれたら、君の個性は無くなっちゃうからね。」
B:「それに、ワラジなんて名前を人間どもが勝手につける気が知れないよ。実際にワラジを見たことのある奴は少ないし、僕の姿を見てワラジを想像できるなんてのはそう何人もいないさ。」
A:「この間、ゾウリムシくんが言ってた。人間はよくコトバの意味を履き違えるって。」