<マルチ>

A:「宇宙は1つで、ユニバースといわれています。」
B:「宇宙がたくさんあれば、マルチバースですか。」
A:「今、貴方のいる宇宙は、貴方自身が選んでいるもので、
  もしかすると、貴方が別の選択をした宇宙が存在するのかも知れません。」
B:「その別の宇宙に存在する別の私が大金持ちになっているとしたら、
  今の私がいる宇宙で幸福になれる訳はありません。」
A:「富の量に比例して、貴方の幸福度が増すうちは幸いです。」
B:「どういうことですか?」
A:「富によってもたらされるもの全てが貴方にとって有益とは限らないからです。」
B:「別の宇宙にいる私が幸せになれる確率はどのくらいなのですか?」
A:「多分、この宇宙を除く別の宇宙に貴方が存在する確率はゼロに近いでしょう。」
B:「そんな!」
A:「貴方はどうして、この宇宙が貴方という存在のために用意されていることに気付かないのですか?」
B:「神さまが、私のようなものにお恵みを与える筈はないからです。」
A:「暗黒だけの宇宙を無数に創り出す必要など、どこにあるのでしょうか?」
B:「それは・・・。」
A:「この宇宙に存在する貴方のココロには、何時だって光が差し込んでくるというのに。」