<陰陽師>

・A:「君は陰陽師を知ってる?」
 B:「それって怪しいヒト?」
 A:「天体観測とか暦の作成を専門とする、昔の国家公務員ってとこかな。」
 B:「お堅い仕事みたい。」
 A:「占いもやったらしい。」
 B:「的中率は高かったの?」
 A:「それはどうかな。当時、科学と魔術との境界はなかったと思うよ。
   災いや天変地異を占っておいて、それを封じ込める儀式もやるんだから、結局何も起こらない場合の方が多かったんじゃないの。」
 B:「今の科学者は予測はするけど、その後始末はつけないから、まだマシかも。」
 A:「現代科学の後始末をつけられる人がいたとしたら、
   それは陰陽師よりもさらに性質の悪いマッド・サイエンティストだろうな。」
 B:「君もその一人?」
 A:「とんでもない!自分の将来さえ分からないんだから。」
 B:「僕は分かってるよ。」
 A:「え!」
 B:「君が僕のことを陰陽師じゃないかって疑ってることを。」