・A:「何読んでるの?」
B:「推理小説。」
A:「あ、それか。」
B:「読んだことあるの?」
A:「まぁね。犯人は主人公ってことになってる。」
B:「それは冒頭に書いてある。
でも真犯人は違うんでしょ。」
A:「そうでなきゃ、面白くない。誰が真犯人だと思う?」
B:「途中から登場する探偵が怪しい。」
A:「探偵が犯人だったなんて話は昔からある。」
B:「じゃ、誰?」
A:「それを言っちゃ〜、お仕舞いさ。」
B:「探偵じゃないとすると、真犯人は被害者だよ。
自分で仕掛けた罠にハマっただけ。」
A:「とすると、事件じゃなくてただの事故ってことになる。」
B:「主人公は、被害者にその罠を教えたんだから、やっぱり犯人ってことだ。」
A:「君の推理はいいところまでいってるよ。でも、1つだけ見落としがある。」
B:「何?」
A:「その本は推理小説ではなく、実話だってことさ。」
B:「どういうこと?」
A:「主人公は今、君の目の前にいる。」