<監禁(その2)>

・青年Aは医学部の学生で来年卒業予定だったが、何故か医師国家試験を受けるかどうか迷っていた。
 監禁されてから数週間、少女Bは隙あれば逃げ出そうとチャンスをうかがっていたが、ある事件を機に考えを変えたようだった。 
 ある事件とは、少女Bが原因不明の高熱を出して寝込んでしまったことだ。医者に連れていくわけにもいかず、青年Aは持てる医学知識を総動員し、講義も休んで3日間少女Bを徹夜で看病した。
 回復した少女Bはいった。
 「家族でもない貴方が、どうして?」
 後から判ったことだが、少女Bは青年Aがしたほどの看病を両親からしてもらったことはなかったらしい。