<改名>

・その昔、桃太郎は桃に乗って竜宮城に行ったそうな。そこでは乙姫様の太股に弄ばれた挙句の果てに、玉手箱を盗んで逃げ帰ったそうじゃ。
 玉手箱を開けると、中は空っぽじゃったと。桃太郎は改心し、それからはお金を稼ごうと思い、金太郎と改名したそうな。
 金太郎は鬼ヶ島に渡り、鬼退治をしたそうじゃが、鬼たちの放蕩な暮らしで金銀財宝は底をついておったそうな。金太郎が肩を落として、鬼ヶ島の裏側まで歩いてくると、ワッパらがカメを虐めておったと。金太郎はそのカメを横目に見ながら、もし助けたカメに騙されて竜宮城に拉致されてはかなわんと思い、改名をして浦島太郎と名のったそうじゃ。
 浦島太郎は漁をして生計を立てようとしたんじゃが、全く魚は捕れんかったそうな。そこで浦島太郎は山で暮らそうと思い立ち、高い所を目指して進んでいったと。途中、クマに捕まり、クマの手下となって蜂蜜とりをやらされ、散々な目にあったということじゃ。
 この話が、そなたの知っておる昔話になるまでには、数万年の時が流れたそうな。メデタシ、めでたし。