<蜘蛛の糸>

・A:「君は、芥川龍之介作、「蜘蛛の糸」を読んだことある?」
 B:「あると思うけど。」
 A:「ある日、御釈迦様は極楽の蓮池のふちを御歩きなっておられまして、極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当っており、三途の河などがはっきりと見えるっていうのが話の設定さ。」
 B:「地獄の底にいたのは極悪人で、確か名前は陀多だったような。」
 A:「その男でも、たった1つだけ善い事をしたことを、御釈迦様は覚えていらっしゃった。」
 B:「1匹の蜘蛛を殺さずに助けてあげたんでしょ。」
 A:「そう。そこで第1問目。
   極楽にいた蜘蛛は、陀多が助けた蜘蛛かどうか?」
 B:「そうじゃないの?」
 A:「極楽の蜘蛛が、陀多の助けた蜘蛛であるとは書いてないんだ。
    御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐに御下しなさいました、そうな。」
 B:「その極楽の蜘蛛は、以前に蛾を助けたことがある蜘蛛だと思ってたんだけど。」