<蜘蛛の糸(続き)>

 A:「君の知っている話は別として、
   何気なく陀多が頭を挙げると、天上から蜘蛛の糸が垂れてきたのに気づき、この糸に縋りついてのぼっていけば、きっと地獄からぬけ出せると考えたとさ。」
 B:「地獄よりもさらに酷い場所は他にないからでしよ。」
 A:「陀多が蜘蛛の糸をよじ上ってから下をみると、数限もない罪人たちが、蟻の行列のように上へ上へとによじのぼって来たのでした。」
 B:「普通の蜘蛛の糸なら、1人だけでも切れるだろうけど、それじゃ話が続かない。」
 A:「そこで、第2問目。
   陀多は、大声を出して、この蜘蛛の糸は自分のものだから、下りろと喚いた後で、蜘蛛の糸を断ち切ろうとしたかどうか?」
 B:「多分、そうしようと思っただろうけど、蜘蛛の糸はそう簡単に切れなかったんでしょ。」