<監禁(その4)>

少女Bが誘拐されてから、捜索届けが直ちに出されないことを青年Aは知っていた。両親の養育権の問題が、少女Bの不運を物語っていた。
 監禁後、十ヶ月が経過したころ、マスコミが急に騒ぎ出した。
 少女Bは、テレビ画面のレポーターのコトバを耳にした。
 「もし、あなたがこの番組を見ていたら、直ぐに連絡をください!」