A:「陀多は自分で蜘蛛の糸を断ち切ろうとはしていない。
陀多が喚いたとき、急に陀多のぶら下っている所から、ぷつりとを断れてしまったんだ。」
B:「そうなの?」
A:「第3問目。
蜘蛛の糸は、御釈迦様が意図的に断ち切ったのかどうか?」
B:「君は、これが言いたかった訳ね。
陀多を助けようとした御釈迦様が蜘蛛の糸を切るはずはないから、不可抗力ってことだね。」
A:「御釈迦様は一部始終をご覧になって、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶらと御歩きになったそうな。
第1問から第3問の答えから、2つのことが分かるんだよ。」
B:「どんなこと?」
A:「君は、「蜘蛛の糸」を読んでないってこと。」
B:「他には?」
A:「僕が「蜘蛛の糸」を読んだことがあると、君が思っていること。」
B:「え! 読んでないの?」
A:「僕は本を読む習慣がないから。」