<蜘蛛と蝶と蛾(続きの3)>

・蛾は明け方近くになって、美しい蝶の翅をもって蜘蛛のところに戻ってきました。
 蜘蛛はそれを見て訊きました。
 「どういうことだ? お前の持っている、その翅は。」
 蝶は鳥に襲われたのでした。
 蝶は必死に逃れようとしていました。
 蛾は助けようとしましたが、すでに手遅れでした。翅だけがヒラヒラと舞い落ちて来たのを見て、蛾は蝶の話を思い出しました。その時、蝶は蜘蛛が助けてくれたことを話してから、蛾に言いました。
 「もし、私が鳥に襲われてこの翅だけが残ったら、蜘蛛に届けて下さい。」
 蛾はその約束を果たそうとして、蜘蛛の様子を伺いに行ったとき、網にかかったのでした。